Work Life Balance

Happy Life

連載コラム vo.2

(株)ワーク・ライフバランス代表小室淑恵が語る

仕事と暮らしのハーモニー

 私は2006年7月に株式会社ワーク・ライフバランスを創業し、ワーク・ライフバランスコンサルタントとして多くの企業と一緒にワーク・ライフバランスの実現を進めています。一方、私生活では夫と2歳になる息子と一緒に毎日を楽しく過ごしています。このように今でこそ、子育てをしながら社長として働く充実した日々を送っている私ですが、実が学生時代、仕事と結婚は二者択一の関係だと思い込んでいました。そして「女の幸せは結婚して家庭に専念し、子どもを産むこと」と思っていたのです。

 

 “キャリアウーマン”という響きには、髪を振り乱しながら男性化して働いている印象を持っていましたし、それに自分は女子大だから就職にも不利だろうとも考えていました。心の奥には「男性社会で働いても負け戦になる。わざわざ負けに行くのは悔しい!」というネガティブな思いがあったのも事実です。二者択一しか許されないのならば、女の幸せを選ぶ、と思い「専業主婦志向」をあえて口にするほどでした。

 

 ところがある日大学で、当時上智大学の教授だった猪口邦子さんの講演を聴いてからその考え方が180度変わったのです。ふたごのお子さんを育てながら素晴らしいキャリアを積み重ねていらっしゃる猪口さんの姿に、これまで抱いていたキャリアウーマン像をいい意味で崩していただきました。そして「これからは働く女性がどんどん増え、働いて子育てする人が欲しがる商品やサービスを作らなければ売れなくなる。今後は女性ならではの視点を生かして活躍できる皆さんのような人材こそ、企業に必要とされるのよ」という猪口さんの言葉に「女の幸せもあきらめず、自分らしく活躍できるチャンスが私にもある!」と気付いたのです。猪口さんとの出会いが、私を変えたのです。

 

 今でも、大学で講演をさせていただくと最前列の女子学生が私のこの経験談に涙を流しながらうなずいてくれることがあります。私の学生時代から10年以上も経過したのに、まだ女子学生は私と同じ呪縛にかかっている―――そう考えると少し切ない気持ちになりますが、彼女たちのためにもロールモデルのひとりとしていろいろなことにチャレンジしていきたい、そしてワーク・ライフバランスを世の中に広めていきたい、そう思っています。(第2話終)