
Work Life Balance
Happy Life♥
連載コラム vo.11
(株)ワーク・ライフバランス代表小室淑恵が語る
仕事と暮らしのハーモニー
来年7月に、私たちの会社は設立3周年を迎えます。設立当初は「ワーク・ライフバランス」という言葉すら知らない人がほとんど、その意義や必要性まできちんと理解している人はほんの一握りでした。それが今では多くの企業が生産性高く働き続けられる組織に生まれ変わろうと動き出しています。私もコンサルタントとしてそうした企業の取り組みのお手伝いをさせていただいているわけですが、かつて「ワーク・ライフバランス」がうまく進まずに仕事上、悩んだことがあります。
それは入社4年目。手がけていた育児休業者の復帰支援プログラムが全然売れずに苦しみ、夜も遅くまでパソコンに向かう毎日でした。そんな姿を、たまたま夜に職場に戻った上司に見つかったのです。「遅くまで感心だな」と褒められるかと思いきや「なんでこんな時間まで働いているんだ!」とカミナリが。さらに「これからは絶対7時に帰れ!」との厳命。「仕事があるから遅くまで残ってるのに…」と食い下がってもまったく無視されました。
仕方がないので7時になると外のカフェで仕事をしていました。そのうち、どうせ外で仕事をするのなら、しばらくまともに会えていなかった友人や彼と夕食を一緒に食べたいな、と思うようになり相手の勤務先の近くまで出かけていくようになりました。そんな日の翌日には仕事の効率がよくなっていることに気づいたのです。
友人や彼と話している間に他企業の風土や実態が分かるようになり、どんな業界にどんな悩みがあるかという情報がどんどん入ってきました。「知人の会社がそんなプログラムを探しているみたい」と営業に行けるよう取りはからってくれることも。それまで会社四季報を見て、やみくもに50件営業メールを送ってやっとひとつアポが取れる割合だったのが、人脈を通じるとこんなにすんなり話しがまとまるとは、と驚きました。机上でああでもない、こうでもないと唸っていたのでは本質的な仕事は出来ないし、結果として非常に効率が悪くなり、余計にライフの時間がなくなるという悪循環に入っていたのです。
ワーク・ライフバランスの効果を初めて実感したのはこの時で、当時の上司には本当に感謝しています。皆さんもワーク・ライフバランスの「好循環」を作ってみてくださいね!(第11話終)June 2009