Work Life Balance

Happy Life♥

連載コラム vo.3

(株)ワーク・ライフバランス代表小室淑恵が語る

仕事と暮らしのハーモニー

 前回、専業主婦志向だった私に訪れた大きな転機のお話をいたしましたが、実はもうひとつ、学生時代に私のライフ・ワークとなる「ワーク・ライフバランス」に関する出会いがありました。

 

 猪口さんのお話を伺った後、女性としての活躍が求められていることを知った私は「これまでの自分を変えたい、人生を変えたい!」という思いから大学を1年間休学し渡米しました。

 

 アメリカでは証券会社のアナリストをしていた30代後半のシングルマザー、スザーンの家で住み込みのベビーシッターをしていたのですが、彼女は2年間の育児休業を終えて職場復帰した時、なんと役職も昇格、給料もアップした状態で会社に迎え入れられていたのです。「育児休業でキャリアにブランクの期間ができたのに、どうして?」という率直な疑問をぶつけると、彼女は育休中にインターネットを使ったeラーニングで資格を取っていたことを教えてくれました。「昇進のために必要な資格だったのに、仕事が忙しくてなかなか取れなかったから、育児休業の期間はいいチャンスだと思って勉強したのよ。育児休業はブランクというより、ブラッシュアップの時期ね」―――スザーンの言葉に、私は衝撃を受けました。

 

 当時の日本は「育児休業を取るくらいなら辞めてくれ」「育児休業を取ったんだから、昇進なんてできなくて当然」というようなことも、まだ当たり前のように言われていた時代です。おのポジティブな発想を日本に持って帰りたい、そして「働きながら子育てができる日本社会をつくりたい!」という決意が胸にふつふつとわいてきました。私の人生の方向性が決まった瞬間でした。そして帰国後、女性が生き生きと働いていた資生堂に入社、アメリカで得た経験をもとに育児休業者職場復帰支援プログラムを開発しました。

 

 そのプログラムの販売を開始すると、多くの企業からこんな声をいただきました。「小室さん、育児休業者は女性だけじゃない。うちの会社は男性の育児休業者がいるんだ。」「休業者は『育児休業者』だけではないんだよ、介護でだって、メンタルでだって休むんだ。」その頃は私も視野が狭く「休業者=女性の育児休業者」だと思っていたのです。このお客様からの何気ない一言が、その後の私の考え方に大きな影響を及ぼしました。(第3話終)